■しれん 試練
「試練」と訳された原語は〈ヘ〉ニッサー(動詞),〈ギ〉ペイラスモスである.
ニッサーは,〈ヘ〉バーハンと同義的に「試みる,試す」の意味で用いられる.
人の心の中の隠れたものが何であるかを調べるために試すこと,苦難や迫害によって人を練りきよめることを意味する(詩26:2等).
旧約聖書ではアブラハムの試練(創22:1)が代表的である.
新約聖書では,苦難や信仰とのかかわりにおいて強調されている.
試練によって信仰が失われること(ルカ8:13),使徒の肉体の弱さが信者にとって試練となること(ガラ4:14),信仰の試練としての苦難(ルカ22:28,使20:19,黙3:10)などがあげられている.
しかし,試練は驚き怪しむことではなく(Ⅰペテ4:12),この上もない喜び・幸いである(ヤコ1:2,12).神は耐えられないような試練にあわせることはない(Ⅰコリ10:13).
なお,Ⅰペテ1:7の原語は〈ギ〉ドキミオンで,「試験済みの,検証済みの,最善のもの」などの意味があり,信仰の純粋性を表している.