とらわれのれい 捕われの霊

■とらわれのれい 捕われの霊 

Ⅰペテ3:19に出てくる難解な句である.

「捕われの霊」をよみにいる人間の霊魂と見なす理解がある.

死んだ人を「霊」(〈ギ〉プニューマ)と言い表す例は確かにある(ヘブ12:23).

しかし,よみにある死者の霊について言及する箇所は新約ではここだけであり,また死者の霊について述べる時は,形容詞がつくのが普通である.

それ以上に,キリストがよみにいる死者に「宣べ伝える」という例がないし,教理的にも正しくない.

したがって第2の解釈として「捕われの霊」を悪の霊と解し,キリストは十字架の死と復活によって,この世を支配する悪の霊に対して勝利の宣言をした,と理解すべきであろう.

この霊はよみの世界にいると解するよりも「空中の権威を持つ支配者として今も不従順の子らの中に働いている霊」(エペ2:2)と解すべきである.